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?適用範囲
船舶の構造、配置および設備が従来のものから画期的に変化することはここしばらく考えられないことから、現行規則を一度にすべて機能規則に書き替えることは必要ないと考える。第一段階としては、機能規則の枠組みを構築し、現行規則をこの枠組みの中で再構築する。その上で、機能規則の導入不可能な範囲を模索する方法が現実的と考える。
?安全基準の制定を含む安全性評価および検証方法の確立
機能規則にとっては、この要件は必須である。?の適用範囲を考慮して、現在広く認知されている手法を整理し評価手法および検証方法の指針の作成が要求される。また、当面は現行の数値基準を安全基準とする。言い換えれば現行数値基準は機能規則を満足していると考える。
本問題に付随して、設計者には、単なる具体的安全策の知識のみではなく評価手法を含めた安全思想を理解することが要求される。
?現場検査の方法
一義的に判断される数値規則とは異なり、機能を満足させる方法は種々考えられることから現場における検査は設計審査等、チェックリストを含めた書類を整備しどのような場所でも容易に参照することができる体制を確立することが必要である。
4 まとめ
機能規則の概念は、現行規則の抱える問題を克服するための一手段として導入が図られている。経験則的に定められてきた船舶の安全要件を定める規則として活用していくためには種々の問題点を含むが、将来的には規則のあり方として合理的であり時代の要請対応した方向であると考える。導入の方向性をきっちり見定めた上で、段階的に機能規則への書き替えが望まれる。
以上

 

 

 

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